君たちはどう生きるか 映画感想
観たので心置きなく感想を書く。
誰の感想も見ずに書き残すので他人様の考察を見る前にやっておきたかった。
少年の成長物語だったね!
観終わったと同時によくわかんなかったよという声も聞こえてきた。
その理由もなんとなくわかった。
最近の作品に比べたら説明がほとんどないので同一人物の話だとか当時の価値観とかさっぱり飲み込めずに終わったという人もいるんだろうなー
ふりかえり
戦争の時代に主人公・眞人の父は戦闘機のパーツを作る工場のオーナーでお金持ち。
眞人の年頃は10歳ぐらいかな?
東京の立派な家で不自由なく過ごしている所で母が入院している病院が火事に遭ってしまう。
これを機に田舎に引っ越すことになる。
田舎につくと美女が迎えに来る。
眞人の母の妹ナツコである。
父が後妻として迎える“新しいお母さん”。
しかも妊娠中だという。
現代では信じられないことだからピンとこない人には何がわからないだろうなポイントその1
現代感覚でみると姉妹丼じゃねーかとたいへんキモいなという目で見るが一族を守るためにそうやって嫁ぐことは普通のことだった。
下女を60年も抱え働かせてあげている豪邸持ちですからね、金持ちと政略結婚をして一族を繋いできたのです。
怒涛のできごとに心中まったく穏やかでないのに表に出さず立派な男でいた眞人少年。
母が火につつまれて死にゆく姿を何度も夢にみるようになってしまうような精神状態である。
泣き言をいうなどこの時代の男には許されていなかったし辛かったよね。
田舎の学校にダットサンで乗りつけたらみんな驚くぞぉ!などと馬鹿全開の父。
戦時中の貧しさにあえぐ人々を尻目に車で登校したら…?そりゃいけすかねえやつだと袋叩きにあう。
何もかも嫌になって自ら頭を石で打ち付けて流血。
自作自演のキズで引きこもりルートを選択した。
300円も学校に寄付して学校に通わないことをごまかすことにする父、いろいろ凄い。
自分が相対的に日本国民の中でもいい暮らしをしてるかどうかも少年本人が見た範囲のことしかわからない。歳近い子と相談もできず孤独に過ごしていて辛い。
ここから急にファンタジー展開が始まる。
お屋敷にいるアオサギの様子がなにか変だ…
青サギ=ポスターの鳥っぽいやつ。
屋敷に居付いたあやしいアオサギは人語をしゃべり、しきりに眞人を建物に誘う。
青サギは“母は死んでいないぞ、こっちにいるぞ”と呼び立てる。
お屋敷の裏にある曰くつきの建物は大叔父が建てたという。
建物に近づくなと言われるのに反抗心と好奇心で近づき死にかける眞人のために身重だというのに弓を射ってアオサギを撃退するナツコさん。
これを見た眞人少年はアオサギと戦うために自作弓で武装しはじめる。
ある日ふらふらと森に入るナツコさんを目撃した眞人。
変だなと思いながらもそのとき追いかけなかったことに責任を感じたのもあるのかな。
自らアオサギに付いていってナツコ探しに行く。
付いてきた老婆は若返った姿で眞人を助ける。
ジブリ特有の顔デッカおばばから頭身まであがってしまって服が一緒でも意味わかんねえーポイントになったんじゃないかな。
おばあちゃん化したとき3頭身になるのおかしいw
我学ぶと死すだっけ?墓に書いてあったワードを覚えていない。
まるで黄泉の国の入口のようであった場所から救ってくれる元おばあちゃんキリコさん?人の名前覚えていないな。
わらわらという白い丸い生き物はメイドインアビスのネリタンタンやプリンタニアニッポンを思い出した。
栄養をとって空にあがると人間になるのだそうだ。
ペリカンが食べに来ちゃうんだけどね…
黄泉の国っぽいものがでてきて神道とかかな?と思わせつつ君行きバードは南無阿弥陀仏を唱える。
神仏習合時代の感覚とか、鳥に大してコウノトリをイメージしてしまったりした。
でもペリカンのくだりはわらわらという小さくかわいい生き物を食うのもまた自分たちが死なないためであるという善悪について眞人に説いていたというかんじだったね。
なにが正義かは立場で変わるんだよ。
あやしい建物は昔、宇宙から飛来した4階建てくらいの隕石を囲うように眞人の大叔父が作ったものだった。
大叔父は隕石から繋がるハブとなる世界を作り管理する人になっていた。
塔=ハブと認識してます。塔がなくても世界は続く。
世界の管理人の仕事を子孫に継がせる約束を隕石としたのだという。
いやあ子孫の人生勝手に決めてなんなのもう。
君たちはどう生きるかってのは内容そのものなのね。
眞人の実母は確かにこの世界にいた。
眞人の実母ヒミは少女の姿で炎を操りこの世界を保つべくペリカンやオウム退治に勤しんでいた。
ボーイ・ミーツ・ガールと思ったら母と息子のふしぎな再会でしたとさ。
母子だから惚れたりする描写もない。
隕石を内包した塔は世界をまたがっている。
たくさんのドアから並行世界に繋がっている。
眞人のいた時代も、母が行方不明になった時代も塔はあった。
近年の並行世界や世界線、パラレルワールドに関する予備知識がないともう全く何言ってるのかわからんであろう。
よくわかんなかったよポイント3じゃないだろうか。
帰り方を教えてもらいつつもナツコさんを連れて帰るんだ!とがんばる眞人。
ナツコのもとへ辿りつくも、お前なんかきらいだ!と叫び眞人を無事に返そうとしてくれる。
母の強さをみた眞人は「ナツコ母さん!」って母として受け入れる決意を呼び名にかえていた。
大叔父が世界を継ぐ準備をしたのに
自作自演のキズのことを告白して綺麗に舗装された道にはいけないよとばかりに自分の道を選ぶ眞人。
母が死なない世界も選べるけど母本人は眞人を産み育てた未来に進むために自分がいた時代に帰っていった。
眞人もまた新しい母と弟を迎えるだけのこころの成長を手に入れて自分の世界に戻っていった。
米津玄師の主題歌もとてもよかったですわ
難解な感じは特になかった。
音楽は良いし、効果音の一つ一つや人の動きが美しくてジブリの良いところはたっぷり。
相変わらず声優なしで違和感あるヘタさだけどいい声ではあった。
…アオサギはなんだったの??火の鳥にでてくる猿田一族みたいな鼻しやがってー。わざとかな?
おわり